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【第34回】メダカさん、ごめんなさい!

(予定だと、今回、挨拶は慣れだけじゃない、習う必要があるんですよ、という理由で、具体的な挨拶の例文をお見せする予定だったのですが、ごめんなさい次回に回します。)

今からひと月半程前、典子さん(私の妻の名前です)が、親戚の介護士をしてる湖弓(こゆみ)から、孵化して余り経たないメダカを5匹もらってきました。さあ、もらったのはいいけど私たち夫婦二人にとっては初めてのメダカです。水槽やら赤土やら、エサやら、カルキを抜いた水とか、ケンカしながら買い求め、まだ細い線に目玉が二つ付いたようなメダカの世話が始まりました。朝起きては “5匹おる?” “うん、おるおる!” また、思い出したように “今日エサやったと?”“アッまだやっとらんかった” “なんで忘れっとね!” 毎晩寝る前には“おやすみ”と声をかけ、家を出る時には “クーラー切った?” “メダカ暑いから28℃でつけたままにしよう” (本当はメダカは水に中にいるんだから冷房は要らないと思うんですけど)こんな調子です。

そして1週間に一度の水槽の水の入れ替えが大変です。蔦屋で買ってきた「メダカの飼い方」を見ながら、慎重に慎重に夫婦げんかしながら変え終わると不思議なもので“良かったね”と夫婦揃って笑顔になるのです。

2日前の朝でした。

水槽の表面が、エサのカスや、メダカのフンで汚れてるので、いつものようにティッシュで、水の汚れたところをサッと拭ってあげました。その日は特に汚れてたので、ティッシュを4枚ほど使ったでしょうか、やっと水面がきれいになりました。“良かった良かった、ねえ、こんなにきれいになったよ、見てごらん!” 私は得意げに言いました。

“うんきれくなったね!” そのあと典子さんが言いました。 “あれっ、4匹しかおらんよ?” “どっかにおるよ” そう言って私は水槽の中を隅から隅まで、何度も何度も探してみても、やっぱり1匹いません。それも、5匹の中で一番小さかったメダカの姿がないのです。赤土のケースを取り出してみてもいません。

私は慌てて、さっきごみ箱に捨てた、汚れを取るときに使ったティッシュを取り出しました。一枚一枚食卓の上に、丁寧に丁寧に広げてみました。・・・・どこにもいません。でも、汚れを取る前にいたのに、今いないということは、間違いなく私が汚れと一緒に、一番小さなメダカをごみと一緒にティッシュでとってしまったことに間違いありません。私が小さな小さなメダカさんの命をゴミと一緒に奪ってしまったことは、まぎれもない事実でした。そして、そのことが、こんなに私の心を悲しくさせています。でもひょっとしたら、2日前の出来事は、“水槽の水を変えたりごみを取るときは、慎重に慎重にやってくださいね!”亡くなったメダカさんが、それを私に教えてくれたのかも知れません。本当にごめんなさい。許してください。 どうしても、誰かに話したかったので、勝手ですがブログに割り込みをさせて頂きました。最後まで、どなたもお読みにはならないと思いますが、それでもいいです。メダカさんの供養のために書きました。 合掌

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