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【第39回】いつも「話材」を思いつきません

そうですか?つまり「話す素材(俗っぽい言葉でいえばネタ)」が思いつかない訳ですね。私の場合は、 今日印象に残ったことを思い出しネタ帳にメモするようにしています。(毎日ではありませんが)下記は、今までの私のメモからいくつか抜粋してみたものです)

例えば
〇バスの中で起こった出来事
〇Z世代のリスク回避を理解して(日経新聞の記事)
〇孫と食事していて気づいたこと
〇受講生のスピーチを聞いて思ったこと
〇妻とのコミュニケーションの取り方について
〇思い通りに行かない時の対応の仕方
〇ちょっとした一言が人の思いを変える
〇「返報性の原理」と部下のマネジメント
〇しゃべりすぎでも信頼されてる保険屋さん(女性)

この中で、あなたはどの項目に興味を持たれましたか?どれか一つを取り上げて、2~3分間のスピーチにしてみましょう。では一番最初の「バスの中で起こった出来事」を話材にしてみます。

最近の若者は、私達昭和の人間から見れば、ずいぶん勝手気ままなように見えてなりません。会社をやめる時もメールひとことで「辞めます」で終わり。メールがあるだけましで、なしのつぶてで連絡不通だったり、もっと驚くのは、代理人を使って「退職します。今後本人には一切連絡しないで下さい!って来るんですって。電車に乗ってもバスに乗っても、猫も杓子もだまってスマホを見つめたまま、会話なんてしてる人は殆どない。

ところが先日・・・ある間面を目の当たりにして、そんな若者への不平不満が見事に覆されました。あれは確か今から一週間前、8月16日金曜日の夕方6時前、私は飲み会に行くためにバスに乗っていました。 信号でバスが止まった時、高齢のご婦人が、杖をついて、運転手さんに何か見せに行きました。運転さんは “分かりましたから座ってて下さい。危ないから!” ちょっとイライラした様子で言いました。彼女は“すみません、すみません”と席に戻りました。

彼女は、熊本駅前でバスを降りるようでした。、又さっきのカードを運転手さんに見せました。すると、“さっき見たからわかってます!”と、またそっけない言葉が・・。彼女は”すみません、すみません“と言いながらバスから降りかけました。もっと優しく対応してあげたらいいのに・・・と私は思っていました。その時でした。私の斜め前の若い男性が、口に手をあて彼女に向かってこう言ったんです。

お母さん、お母さんは何も間違ってないですからね!”って。

その声を聞いて振り返った老婦人は、ニコッと笑顔で頭を下げました。その時、後姿の運転手さんが、気のせいでしょうか、何かギクッとしたような気がしたのは、私だけだったので しょうか?
見も知らぬ老婦人に“お母さん、お母さんは何も間違ってないですからね!”と堂々と声をかけてあげる・・・そんな勇気もない自分が恥ずかしくなりました。同時にこんな優しい勇気ある青年を育てられたご両親に会ってみたくなりました。

この話をどんな時に使うのか?それは分かりませんが、短いストーリーにしてストックしておくようにしています。加えて一つポイントがあるとしたら、瞬時に聞き手が場面を共有してくれるような描写をすれば、効果的だと思いますよ。(ビジュアルストーリーと言います)

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